電流を生む段階と、力を生む段階は別です。
まず、円板のある場所を貫く磁束が変化し、電流を流そうとする起電力が生まれます。これが電磁誘導です。銅板には電流の通り道があるため、内部をめぐる渦電流が流れます。次に、その電流が磁界から力を受けます。電流が生まれる説明にはファラデーの法則とレンツの法則、力の向きにはフレミングの左手の法則を使います。[1] [2] [3]
前側と後ろ側では、渦電流の向きが逆です。
正回転で円板が磁石より遅い場合を考えます。N極を上、S極を下にしたので、磁界は下向きです。磁石が近づく前側では下向きの磁束が増え、それを妨げる上向きの磁界を作る向きに電流が流れます。上から見ると反時計回りです。磁石が遠ざかる後ろ側では、下向きの磁束の減少を妨げるため、逆向きの渦になります。この2つの渦のうち、磁石の真下付近を通る部分の電流は、どちらも円板の外向きです。ループの形や大きさそのものは模式化しています。[2] [3]
電流の戻り道があっても、回転力は相殺されません。
磁界は円板全面に一様にかかっているのではなく、磁石の近くで強くなっています。したがって、行きと戻りの電流が受ける力を足しても、一般にはゼロになりません。この磁界の局在と電流分布が、円板全体を回す作用につながります。[2]
磁石から見た円板の動きに注意します。
フレミングの右手の法則で電流の向きを考えるときは、磁石から見た導体の相対的な動きを使います。円板が磁石より遅いなら、磁石からは円板が逆向きに横切って見えます。「磁石の動く向き」をそのまま「導体の動く向き」にしてしまうと、電流の向きを逆に判定してしまいます。[1]