かご形誘導電動機
同期電動機 + 制動巻線
回転磁界を100%として、回転子の速さを変える
プリセットを押すと「02 すべりと力」へ移ります。
このモデルの読み方・省略しているもの
青いN・Sと矢印は、三相交流がつくる磁界分布の目印です。物理的な固定子磁石が回っているわけではありません。実機の固定子鉄心と巻線は、回転子を見やすくするため省略しています。回転子の導体棒は実機では鉄心の溝に収まり、制動巻線は界磁巻線とは別の電気回路です。
2極の基本波磁界を理想化しています。表示速度は学習用に遅くしており、電源周波数・実回転数は表していません。電流の矢印と光の粒は正電流の向きの目印で、電子そのものではありません。回転子から見た交流の電流は周期的に向きが変わります。明るい閉回路は多数ある経路の1つで、実機の短絡環では電流が分岐します。
局所の電流・力は、相対運動による起電力と抵抗だけを使う向きの模式モデルです。漏れインダクタンスによる位相遅れ、過渡的な電流の残り、正確なトルクの大きさ、磁束分布、損失、磁極によるリラクタンストルクは省略しています。「同期で電流ゼロ」は基本波・定常の理想化であり、実機の高調波電流までゼロとする意味ではありません。
始動と乱調は説明用に設定した速度・角度の再生です。実機の始動時間や引入れ可能な負荷を計算するものではありません。同期への引入れは適切な励磁と負荷などの条件が必要です。同期後の左の96%は負荷運転の一例で、定格すべりを指定するものではありません。
制動巻線は磁極表面の導体棒を端部で短絡した構造です。本モデルは磁極間も環状に接続した一例です。実機には短絡板など、端部接続の異なる構造があります。「閉回路1組だけ」は電流経路の説明のための抽出表示で、残りの棒を実際に取り外す操作ではありません。
「直流励磁OFF」は、始動時に界磁巻線へ直流を供給していない意味です。実機では界磁巻線を開放したままにせず、誘導される高電圧への対策として抵抗を介して短絡するなどの措置をとります。その保護回路は表示していません。
式でも確認する:制動するのは「速度差」
s = (nₛ − n) / nₛ。回転子が遅いとs > 0で加速方向、速いとs < 0で減速方向の平均誘導トルクが生じます。同期近くでは制動巻線の作用を Tᵈ ≈ K(nₛ − n) = −K(n − nₛ), K > 0 と捉えられます。負号がつく相手は回転速度nそのものではなく、同期速度からのずれn − nₛです。停止時にはそのずれを減らすために、前へ回す力が必要になります。
同期運転の持続的なトルクは、別回路の界磁巻線を直流励磁してつくる回転子磁界と、固定子の回転磁界との作用が担います。両者の速度が同じでも、負荷に対応した一定の角度差があるためトルクを出せます。制動巻線の誘導トルクとは別です。
技術資料
森本雅之「電動機の技術 第8回 ―同期電動機―」『クレーン』第61巻6号、2023年、特にp.11「同期電動機の始動と引き入れ」および図6。
日本クレーン協会の資料を開く(PDF・外部サイト)
JTEX 職業訓練法人 日本技能教育開発センター「電験三種Q&A(8)誘導電動機と同期電動機の違いがわかりません。」
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