電験三種 / 機械 / 電力変換
単相ブリッジ・インバータ
電圧は切り替わる。電流は、すぐには反転しない。
ゲート指令と「実際に通る素子」を、回路と波形で見くらべよう。
直列 RL 負荷・方形波・周期定常状態
01 電流の通り道
写真と同じ素子番号。矢印は電子ではなく、電流の向きです。
↔ 回路図は横にスクロールできます
| IGBT | ゲート | 実際の電流 | 逆並列 D | 実際の電流 |
|---|
02 電圧と電流の波形
波形をクリック・ドラッグしても、同じ時刻に移動できます。
ゲート指令と通電素子(縦線は現在時刻)
① 電圧は正、電流はまだ負
回生1周期は、この4区間
カードを押すと、その区間の中央へ
条件を変えて、くらべる
値を変えると、新しい条件の定常波形に切り替わります。変更直後の過渡応答ではありません。再生の「秒/周期」は観察用の速さで、回路の周波数 f とは別です。
「ゲート ON」なのに、
その IGBT に電流が流れない?
「先頭」で t = 0 に戻すと、Q1・Q2 のゲートは ON。でも電流が通るのは D1・D2 です。コイルに流れていた電流の向きが残り、IGBT が通せる向きとは逆だからです。
そのまま進めて ia が 0 を越えると、ゲートを変えていないのに、通る素子が D1・D2 から Q1・Q2 に移ります。
定常状態・基準方向・理想化について
起動時のシミュレーションではありません。写真の問題と同じく、すでに周期的な動作に落ち着いた状態を表示します。t = 0 の電流は 0 ではなく −Ip です。
va は L と R を合わせた両端電圧で、v(A) − v(B)。ia の正方向は A → L → R → B(負荷を上から下へ)です。全 IGBT の順方向は図の上→下、全ダイオードの順方向は下→上です。
IGBT・ダイオードの電圧降下、切替時間、損失、デッドタイム、ダイオードの逆回復を無視します。実機では上下アームの短絡を避けるデッドタイムが必要です。
直流側は電力を吸収でき、Ed を一定に保つ理想電源です。Cdc は写真との対応のため描いていますが、その過渡電流や、回生電流が電源とコンデンサにどう分かれるかは計算していません。強調経路は等価的に理想電源へ戻して描きます。
ゲート切替時刻ちょうどは、切替後の電圧・ゲートを表示します。電流ゼロ交差ちょうどでは全素子の電流を 0 A と表示します。流れる粒子の速度・数は電流値の厳密な表現ではありません。
この波形を計算している式
RL 直列回路の式と、周期定常条件から解析的に求めています。数値積分の刻み幅による波形誤差はありません。
τ = L/R, T = 1/f
Ip = (Ed/R) tanh[T/(4τ)]
0 ≤ t < T/2 の区間では:
ia = Ed/R − (Ip + Ed/R)e−t/τ
T/2 ≤ t < T の区間では:
ia = −Ed/R + (Ip + Ed/R)e−(t−T/2)/τ
切替から最初の電流ゼロまでの時間 tz:
電流の向きとゲート指令を組み合わせて、実際に通る素子を決めています。p = vaia < 0 は回生、p > 0 は電源から負荷への電力供給です。抵抗の消費電力 Ria² はどの区間でも 0 以上です。
動作原理の参考資料
素子番号・ゲート指令・回路構成は、ご提示の写真と条件に対応させています。波形は上記の回路方程式の定常解です。
東芝:逆導通IGBTと逆並列ダイオードの役割
Philadelphia University:Power Electronics / Inverters(RL 負荷・定常解)
リンク先を開くときだけインターネット接続が必要です。