← 目次に戻る
電験三種 / 機械 / パワーエレクトロニクス
オフライン教材

単相ブリッジ整流

まずは片方の半周期だけ。電源の向きを変えたとき、中央の抵抗に注目してください。

90°
90°の瞬間を固定 0度から360度までの交流の1周期です。動かすと時刻を固定します。矢印は再生ボタンで停止できます。

電流の通り道

正の半周期
単相全波ブリッジ整流回路左右が交流入力の端子AとB、中央が抵抗です。上半分のダイオードD1とD2は負荷へ入る方向、下半分のD3とD4は負荷から出る方向に接続しています。ダイオードを押すと説明が表示されます。
電流が流れる枝抵抗を流れる電流電流が流れない枝
矢印は電流の向きです。電子や個々の粒子ではありません。

電圧の波形も、同時に見る

入力の1周期分

縦の点線が今の瞬間。入力の負の山も、出力では上向きになります。

入力の正弦波と、出力の全波整流波形入力はプラスとマイナスを交互に繰り返します。出力は入力の絶対値なので、0以上の山が1周期に2つ現れます。
入力電圧 vAB+10.0V
抵抗の電圧 vR10.0V
抵抗の電流 iR1.00A
この回路の要点

電源が反転しても、
抵抗の電流は同じ向き。

電源が反転すると、電流が通る2個のダイオードが入れ替わります。それでも、抵抗へは上から入り、下から出ます。

Aが+の半周期D1 → 抵抗 → D3
Bが+の半周期D2 → 抵抗 → D4

引っかかりやすいところを確認する

ダイオードの向きは、どこを見ればよい?
アノード側横棒=カソード側

ダイオードは、アノードからカソードへ流れる向きが順方向です。この教材では順方向には流れ、逆方向には流れない理想的な素子として扱います。まず横棒の位置を探してください。

図のD1・D2は、どちらも出力の上側へ向いています。D3・D4は、どちらも出力の下側から外へ向いています。記号の向きは固定のまま、電源の極性だけが変わります。

4個とも流れたり、抵抗を通らずに流れたりしない?

例えばAがBより高い電位のとき、D1とD3が導通します。理想ダイオードなので、出力の上側はAと同じ電位、下側はBと同じ電位になります。

このときD2とD4は、カソード側のほうがアノード側より高い電位になるため、逆方向となって電流を止めます。AからD4を通って下へ行こうとしても逆向きですし、D1を通って上に行ったあとD2からBへ抜けようとしても逆向きです。

そのため、この接続と前提では、AからBへの導通経路は抵抗を通る道になります。まず「流れない枝を隠す」を試すと、直列の1本の道として追えます。

全波整流すれば、一定の直流になる?

向きは一定になりますが、大きさは一定になりません。このように一方向で大きさが周期的に変化する電流を、脈流と呼びます。波形には山と谷が残り、入力が0 Vになる瞬間は抵抗の電流も0 Aになります。

この教材には平滑用コンデンサーがありません。コンデンサーを加えると電圧の谷を埋められますが、ダイオードの導通期間も変わるため、ここで見ている抵抗だけの回路とは分けて考えます。

電験の式には、どうつながる?

入力電圧を vAB=VA−VB、抵抗の電圧を上側から下側へ測った vR とします。理想ダイオードでは次の関係になります。

vR = |vAB|
iR = vR / R

ここでは入力の最大値を10 V、抵抗を10 Ωとしたので、入力が+10 Vでも−10 Vでも、抵抗の電圧は10 V、電流は同じ下向きに1 Aです。

入力の最大値を Vm とすると、出力電圧の1周期平均は、絶対値を取った正弦波の面積から 2Vm/π となります。入力の実効値を V と書く場合は 2√2V/π ≈ 0.900V です。最大値と実効値を取り違えないようにしてください。

この教材の前提:理想ダイオード4個、抵抗10 Ωのみ、入力は最大値10 Vの正弦波です。ダイオードの電圧降下、漏れ電流、切替時間は無視しています。実物では、電流経路上のダイオード2個分の順方向電圧降下が生じます。D1〜D4の番号は、この図での呼び名です。教本とは番号ではなく、向きと接続を照合してください。

矢印は電流経路を示す説明用の記号で、実際の電荷の運動や伝わる速さの再現ではありません。時刻を固定しても、再生中は方向を示す矢印が動きます。「連続で見る」の1×では1周期を12秒に拡大しています。0 Vの瞬間には矢印が消えます。「+」「−」は2端子間の相対的な極性であり、接地電位の指定ではありません。

基礎事項の参照:東芝「整流ダイオードの働き」Analog Devices「Full Bridge Rectifier」Analog Devices「Diodes and Diode Circuits」
回路配置、アニメーション、説明文は本教材用に作成。参照先を開く場合を除き、インターネット接続は不要です。