コイル:電流の急変を抑える
ONで磁界にエネルギーを蓄え、OFFで放出。逆転するのは電圧の極性で、電流の向きではありません。
スイッチを切ると、電流はどこへ行く? 回路と波形を同じ時刻で見てみよう。
共通のカギ:コイル L は、電流を急に変えない。ONで電流を増やし、OFFで電圧の向きを変えて、同じ向きの電流を流し続けます。
原理を読む ↓直流電源
入力の 0.50 倍
最大値 − 最小値
Lの電流がゼロにならない
回路図と波形は横にスクロールできます。
動きを観察するためのスロー再生です。実際のスイッチング周波数とは別です。
固定した縦軸の範囲を超えています。「縦軸を固定」を外すと全体を表示できます。
出力変動が平均電圧の10%を超えています。小リプル近似の精度が落ちるため、形の参考として見てください。Cやfを大きくすると改善します。
現在は不連続モード(DCM)。OFFの途中でLの電流がゼロになり、休止区間に入ります。連続モードの出力公式はそのまま使えません。
定常状態では、1周期後に同じ電流へ戻る。
だから、ONで増えた分 = OFFで減った分。
ONで磁界にエネルギーを蓄え、OFFで放出。逆転するのは電圧の極性で、電流の向きではありません。
スイッチOFF時の電流の通り道。アノードAからカソードKへ流れます。記号の棒側がK。デューティ比Dとは別物です。
電流の余りを受け取り、不足分を補います。昇圧・昇降圧のON中は、Cだけで負荷へ電力を供給します。
「電源からの道が切れる」ことと「コイルの電流がすぐゼロになる」ことは別です。Lは電流の変化に抵抗するため、電圧の極性を変えてダイオードを導通させます。回路図でONとOFFを切り替え、Lの矢印は同じ向きのまま、周りの通り道だけが変わることを確かめてください。蓄えたエネルギーを使い切れば、電流はゼロになります。
増えません。電圧を高くする代わりに、電源側でより大きな平均電流が必要になります。この損失のない近似モデルでは、平均入力電力と平均出力電力が等しくなります。
違います。入力と共通のGNDを0 Vとしたとき、出力端子が負の電位になる、という意味です。出力は負の直流で、交流ではありません。この教材は1スイッチの反転型昇降圧です。極性を変えない昇降圧方式もありますが、ここでは扱いません。
Lの電流は、加えられた電圧に応じて増減します。一方、Cの電圧は、Cに流れ込んだ電流の積み重ねで変化します。だから、Lの電流と出力電圧は同じ波形にはなりません。「出力のリプルを拡大」を外すと、出力電圧はほぼ一定の直流であることを確認できます。
理想スイッチ・理想ダイオード・理想L/C・抵抗負荷の、周期的な定常状態を扱います。L両端の電圧を区間ごとに一定とみなし、vₗ = L diₗ/dt とコンデンサの1周期の電荷収支から連続/不連続モードと平均出力電圧を求めます。出力リプルは、負荷電流を |Vₒ|/R で一定と近似し、Cに流れる電流を積分したものです。
数値を変えるたびに、新しい定常状態へ直接切り替わります。起動時の過渡応答、制御回路、損失、素子の耐圧・電流制限、磁気飽和、寄生成分、スイッチング時のノイズは再現しません。実機設計や安全性の判断には使わないでください。粒の速度・間隔は電流量に比例しません。
vₗは、図中のiₗの正方向に沿った電圧降下(矢印の入口側の電位 − 出口側の電位)です。出力電圧vₒは、右上の端子の電位 − 共通GNDの電位です。反転型のコンデンサの「充電」は、負電圧の絶対値が大きくなることを指します。
連続モード(CCM)では、降圧 Vₒ = D Vᵢₙ、昇圧 Vₒ = Vᵢₙ/(1−D)、反転型昇降圧 Vₒ = −D Vᵢₙ/(1−D)。境界では電流が一瞬ゼロに触れます。不連続モード(DCM)では、K = 2Lf/R として、以下を使用しています。
この小リプル近似では、Cは平均電圧を変えず、リプルを変えます。周波数やLを変えたときの効果を見比べるには、波形の「縦軸を固定」が便利です。入力電圧やデューティ比を大きく変えて表示がはみ出したら、固定を外してください。
Texas Instruments — Understanding Buck Power Stages(SLVA057)↗Texas Instruments — Understanding Boost Power Stages(SLVA061)↗Texas Instruments — Understanding Inverting Buck-Boost Power Stages(SLVA059B)↗Analog Devices — AN-1083(反転型の電流経路)↗